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フットボール コラム

【マッチレビュー】プレミアリーグ第12節のワトフォード対マンチェスター・ユナイテッドを解説!

プレミアリーグの試合を分析し、試合の行方を左右したターニングポイントとともに解説していく「マッチレビュー」企画の第5弾。今回は11月21日に行われたプレミアリーグ第12節のワトフォード対マンチェスター・ユナイテッド戦をお届けします。試合をフルで見た人も、そうでない人も楽しめる記事となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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【試合前分析】どん底から這い上がれるか

ヴィカレージ・ロードで行われたプレミアリーグ第12節のワトフォード対マンチェスター・ユナイテッド。ここ5試合で3敗のワトフォードが同じくここ5試合で4敗のマンチェスター・ユナイテッドをホームに迎え入れます。

わずか1年でプレミアリーグの舞台に復帰したワトフォードは開幕から大苦戦。成績不振によりシスコ・ムニョス監督を解任し、クラウディオ・ラニエリが8節から指揮を取っていますが、なかなか勝ち点を拾うことができていません。

一方のマンチェスター・ユナイテッドは、4勝1分と開幕5試合こそ好スタートを切りますが、6節のアストン・ビラ戦で敗れて以降は1勝1分4敗と大ブレーキ。監督のオーレ・グンナ・スールシャールの解任も囁かれています。

マンチェスター・ユナイテッドは格下相手に勝利が確実に欲しいところです。ワトフォードも格上相手に勝利してチームの士気を上げたいはず。両者にとって是が非でも勝ち点3が欲しい一戦となりました。

ではまずスターティングイレブンから確認していきましょう。

12節wat_mun_スタメン表

ワトフォードは前節のアーセナル戦でレッドカードを貰ったユライ・クツカに代えてトム・クレバリーを起用し、左サイドバックはダニー・ローズではなくアダム・マジーナが先発。クレバリーは古巣対決となっています。

一方のマンチェスター・ユナイテッドは、前節のマンチェスター・シティ戦から3人の選手を入れ替えました。ボランチにはフレッジではなくネマニャ・マティッチを選択し、両ウイングにはマーカス・ラッシュフォードとジェイドン・サンチョを起用。3バックだったディフェンスラインを4バックに変更しました。マティッチとサンチョは第8節のレスター戦以来、久しぶりの先発起用です。

【試合概観】大番狂わせではなく実力が正当に反映された試合

試合は開始早々から動きます。ブルーノ・フェルナンデスがクリアしたボールをカットしたジョシュア・キングがシュートへ持ち込もうとしますが、これをスコット・マクトミネイがタックルで阻止。ファウルかどうか微妙なプレーに見えましたが、審判の判定はファウルでワトフォードがPKを獲得します。しかし、このPKをキーパーのダビド・デ・ヘアがセーブ。守護神の活躍でスコアはイーブンのままとなります。

このプレーで勢いに乗りたいアウェイチームですが、なかなか決定機を作り出すことができません。むしろ攻勢を強めたのは、ホームのワトフォード。鋭いカウンターやセットプレーでマンチェスター・ユナイテッドのゴールを脅かします。するとついに、スコアが動きます。前半28分、クリアのこぼれ球を拾ったエマヌエル・デニスがペナルティエリア内に切り込んでクロスをあげると、そのボールをキングが左足で上手く合わせてゴールゲット。ホームチームが先制に成功しました。

その後はワトフォードとマンチェスター・ユナイテッドともにチャンスが訪れますが、どちらも決めきることができません。1-0のまま後半に突入するかに思われましたが、追加点は前半終了間際に生まれました。

前半44分、キコ・フェミニアのクロスを受けたサールが右足を素早く振りぬくと、ボールはファーサイドのゴールネットに。セネガル代表ウインガーの素晴らしいゴールにより、ワトフォードがリードを2点に広げました。

何が何でも勝ち点3が欲しいマンチェスター・ユナイテッドベンチは後半頭から積極的に動きます。ラッシュフォードに代えてアントニー・マルシャル、マクトミネイに代えてドニー・ファン・デベークを投入。攻めの姿勢を打ち出します。すると、その交代策が的中。後半50分にサンチョのクロスをクリスチアーノ・ロナウドが頭で折り返し、ファン・デベークがヘディングシュート。アウェイチームが1点を返します。

そのままの勢いで同点に持ち込みたいマンチェスター・ユナイテッドですが、その後は中々チャンスを生み出せません。嫌なムードが流れる中、後半69分にアウェイチームをさらに苦しめる出来事が。ハリー・マグワイアが2枚目のイエローカードを貰い退場してしまうのです。こうなると万事休す。人数少ない状況で攻め込むことができず、むしろワトフォードの猛攻を受けます。試合終了間際まで1点差で耐えてはいましたが、最後には力尽きホームチームに連続ゴールを許し、スコアは4-1に。最終的には大差のゲームとなりました。

スコアだけ見れば、ワトフォードがマンチェスター・ユナイテッドというプレミアリーグ屈指の名門クラブを破った、まさにジャイアントキリングが起きたかのように思うかもしれません。しかし、しっかりとこの試合を見れば、ジャイアントキリングなどではと言うことが出来るでしょう。以下のスタッツをご覧ください。

12節wat_mun_スタッツ

ポゼッションなどはマンチェスター・ユナイテッドが上回っていますが、シュート数はワトフォードが圧勝。いかに効率的に攻撃が出来ていたかが分かります。このことからワトフォードの勝利は、決して大番狂わせではなく実力が正当に反映された勝利であると言えるでしょう。

【ターニングポイント①】1点目が決まった後の時間帯

まずターニングポイントの一つ目として挙げたいのが、ワトフォードが先制した直後の時間帯の攻防です。具体的に言うのであれば、前半の30分から32分の間。この時間帯にマンチェスター・ユナイテッドが同点に追いつくチャンスが2回ありました。

B・フェルナンデスの素晴らしいロブパスからラッシュフォードがシュートを放ったシーンと、サンチョがペナルティエリア内にきわどいクロスを入れたシーン。そのどちらかをもしマンチェスター・ユナイテッドが決めきることが出来ていれば試合の流れは大きく変わっていたはずです。むしろ、そのチャンスを決められなかったが故にワトフォードに追加点を与えてしまったと言っても過言ではありません。

この時間帯はワトフォードが先制した直後の時間帯。ワトフォードが勢いに乗って前線から激しいプレスを仕掛けてきた時間帯でもあります。逆に言えばホームチームのディフェンスラインが高くなっていたということ。

そもそもワトフォードは自陣深くにブロックを敷いてロングカウンターを仕掛けるのが得意なチームです。当然ディフェンダーは背後の広大なスペースをカバーすることに慣れていません。センターバックのクレイグ・キャスカートとニコラ・エンクルは前に来たボールを弾き返すことは得意ですが、後ろに来たボールの処理は苦手なタイプ。その弱点をマンチェスター・ユナイテッドは突くことが出来ていたのです。しかし、シュートをゴールに入れるという最後の、一番大切で肝心な部分を成功させることができませんでした。。

もし同点ゴールを奪えていれば、スタジアムのムードもガラッと変わっていたでしょう。ワトフォードの選手たちにも焦りが生まれたに違いありません。逆転までは出来なかったとしても、ホームチームに追加点を奪われることはなかったでしょう。

【ターニングポイント②】ハリー・マグワイアの退場

ターニングポイント①で挙げたワトフォードが先制した直後の時間帯の攻防が、試合の流れを左右したと言うのであれば、ハリー・マグワイアの退場は試合の結果を決定づけたターニングポイントと言えるでしょう。

前半で2点差をつけられた中で、後半開始早々に1点を返すことができてアウェイチームのボルテージは上がったはずです。もしかすると同点に追いつけるかもしれない、選手たちはきっとそう思っていたはずです。そんな中での退場劇。アウェイチームに与えた心理的打撃は細かい解説など必要ないほど大きかったでしょう。

細かいスタッツではワトフォードが上回っていたとはいえ、一瞬で戦局が変わるのがサッカーというスポーツ。マンチェスター・ユナイテッドが同点に追いつく可能性は十分にあったはずです。むしろ同点に追いつけば、その勢いのまま逆転していた可能性すらあります。イケイケムードに水を差したマグワイアの退場は、まさに試合の結果を決定づけたターニングポイントと言えます。

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