ヨーロッパサッカーの2021-2022シーズンが開幕して、約二か月。本連載では欧州のメガクラブがどのようなスタートを切ったかを点数化。開幕からのパフォーマンスを詳しく分析するとともに、今後の展望を予想していきます。
連載第3回目は、ラ・リーガ編です。レアル・マドリー、バルセロナ、Aアトレティコ・マドリーが例年は優勝戦線を引っ張ってきましたが、今年はどんな戦いが繰り広げられているのでしょうか。各チームの開幕からの出来を確認していきます。
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ラ・リーガのメガクラブ採点表
今回はバルセロナ、レアル・マドリー、アトレティコ・マドリーの3強に加えて、中堅のセビージャ、さらには順位表のトップに立つ(9節終了時点)レアル・ソシエダの合計5チームを採点していきます。
※2021年11月4日時点
リーグ順位 | 採点 | |
レアル・ソシエダ | 1位 | 100点 |
レアル・マドリー | 2位 | 95点 |
セビージャ | 3位 | 90点 |
アトレティコ・マドリー | 4位 | 80点 |
バルセロナ | 9位 | 40点 |
では各クラブの詳しい分析と採点理由に移っていきます。
レアル・ソシエダ

- 順位:1位(7勝4分1敗)
- 採点:100点
- 得失点:17得点・10失点
現在のラ・リーガで驚きの首位に立っているレアル・ソシエダに満点を付けました。
レアル・ソシエダは開幕こそバルセロナに2-4で敗北しましたが、それ以降は7勝4分で負けなし。強豪のアトレティコ・マドリーにも引き分けるなど、順調な歩みを見せて堂々のトップに君臨しています。
昨シーズンの順位は5位と、決して弱小クラブではないですが、リーグ戦12試合を消化した時点でレアル・マドリー、バルセロナ、アトレティコ・マドリーといった3強を抑えて首位に立っているのはサプライズといっていいでしょう。
首位のチームを引っ張っているのは、エースのミケル・オジャルサバル。これまで8試合の出場で6ゴールを記録しています。出場時間648分で8ゴールは、108分に1ゴールを決めているペースで、ほぼ1試合に1ゴールを決めている計算になります。ウイングの選手にも関わらず、このペースは脅威と言って差し支えないでしょう。
バルセロナ、アトレティコ・マドリー、セビージャなど強豪相手の試合を消化しているのも強みで、もし格下相手に取りこぼしがなければチャンピオンズリーグ出場権獲得圏内、もしくは優勝も見えてくるかもしれません。
レアル・マドリー

- 順位:2位(7勝3分1敗)
- 採点:95点
- 得失点:26得点・12失点
2番目の採点を付けたのは、レアル・マドリーです。
現在2位とはいえ、首位のレアル・ソシエダと比べて消化試合が1試合少なく、ほぼ首位と同等の位置に付けていると言っても良いでしょう。
2014-2015シーズンぶりに復帰したカルロ・アンチェロッティ監督が率いる白い巨人は開幕から順調な歩みを見せて、8節のエスパニョールに敗北したものの、ほぼ格下相手の取りこぼしがなく、バルセロナとのエル・クラシコにも勝利するなど、波に乗っています。
これまで奪った26得点は圧倒的にリーグ1番です。なかでもヴィニシウス・ジュニアの覚醒が大きく、リーグ戦7ゴールは11試合にしてすでにキャリアハイの数字となっています。カリム・ベンゼマも好調を維持して9ゴールを奪うなど攻撃陣がチームを引っ張っています。
引き分け数が響いてレアル・ソシエダに首位を譲っていますが、これまでのような戦いぶりを続けていれば、首位を奪還することもそう遠くはなさそうです。
セビージャ

- 順位:3位(7勝3分1敗)
- 採点:90点
- 得失点:19得点・7失点
昨シーズンも4位に付けていたセビージャが今シーズンも好調を維持しています。
これまで獲得した勝ち点は24で、レアル・マドリーと同じで、首位のレアル・ソシエダと1ポイント差となっています。さらに、レアル・ソシエダと比べて消化試合は1試合少ないため、これからの戦い次第では首位を十分目指せるポジションに付けています。
好調セビージャを支えているのは、なんといっても堅守です。
これまでの失点数は、なんと脅威の7。11試合でクリーンシートを確保した試合は6とリーグ最少失点を誇っています。
センターバックコンビのディエゴ・カルロスとジュール・クンデのコンビは鉄壁を誇っていますが、クンデに引き抜きの噂があるのが怖いところ。今夏に契約寸前のところまで迫っていたチェルシーを筆頭に欧州のビッグクラブたちが触手を伸ばしています。
もしクンデが今冬にビッグクラブに移籍をしてしまうと、新たなセンターバック探しをしなければなりません。そうすると鉄壁のディフェンスラインにヒビが入ることに。
セビージャがこの順位をキープできるかどうかは、今冬の移籍市場にかかっているかもしれません。
アトレティコ・マドリー

- 順位:4位(6勝4分1敗)
- 採点:80点
- 得失点:18得点10失点
昨シーズンの優勝チームであるアトレティコ・マドリーがここまでは4位につけています。
とはいえ首位とは勝ち点3差と、まだまだ優勝を狙える位置をキープできているといっていいでしょう。
ただ不穏な空気が漂っているのが得失点数。これまで奪った18得点はリーグ4位とまずまずである一方、失点数は10。クリーンシートは4試合のみとなっています。一見する悪くないように思えますが、昨シーズンの失点数はわずかに25。11試合を消化した時点では、わずかに4点しか奪われていませんでした。
この変化を攻撃的な戦いにシフトしたと捉えるのか、守備陣に穴が出来たと捉えるのか。正解はシーズンが終わった段階でないと出すことは出来ませんが、これまでと比べて変化を見せていることは確かです。
心強いのは、ルイス・スアレス、アンヘル・コレア、アントワーヌ・グリエーズマンといった攻撃陣が好調を維持していること。多少失点数が嵩んでいたとしても攻撃陣が奮闘すれば連覇を達成できるかもしれません。
バルセロナ

- 順位:9位(4勝4分3敗)
- 採点:40点
- 得失点:16得点・12失点
上位4チームと比べて採点が低くなってしまったのが、バルセロナです。
開幕戦で現在首位を走っているレアル・ソシエダ相手に4-2で快勝したものの、そのあと調子を崩してしまい、4勝4分3敗の9位に沈んでしまいました。特に10月は1勝1分3敗と大きく負け越しています。
財政的な問題により、チームのエースで歴史的なスターであるリオネル・メッシを放出せざるを得なかったという波乱が巻き起こった影響が、そのままピッチ上の結果に反映されてしまいました。
ロナルド・クーマン監督が成績悪化の責任を取って解雇され、さらには今シーズンにマンチェスター・シティから移籍してきたセルヒオ・アグエロが心臓の問題により離脱を余儀なくされるなど、負の連鎖が続いている状態です。
もしこのまま中位に沈むような状態が続くようだと、優勝はおろかチャンピオンズリーグ出場権獲得も怪しくなってきてしまいます。
しかし、今シーズンに移籍したメンフィス・デパイが好調を維持し、メッシの10番を引き継いだアンス・ファティが長期離脱から復活を果たすなど、光明もないわけではありません。少ないプラス要素を活かして上位に返り咲くことができるのか。それともこのまま中位に沈んで行ってしまうのか。これからのバルセロナの戦いに注目が集まります。